どっちとも別れないの。
監督・脚本:ダヴィデ・フェラーリオ 
撮影:ダンテ・チェッキン
音楽:バンダ・イオニカ、ダニエレ・セーベ、
ファビオ・バロヴェーロ
CAST:ジョルジョ・パゾッティ、フランチェスカ・イナウディ、
ファビオ・トロイアーノ、フランチェスカ・ピコッツァ、
(語り手)シルヴィオ・オルランド

国立映画博物館の夜警をしているマルティーノ。
好きな映画を引っ張り出しては見放題。
倉庫を改造して秘密のねぐらまでつくっています。
近くのファストフードでバイトしていたアマンダがトラブルを起こし
逃げ込んできて、不思議な博物館内の同居がスタートします。

アマンダの恋人アンジェロは気が気ではなく、
でもクルマ泥棒の稼業もつづけなくてはならず…。
やがて不思議な三角関係を認めた3人。

トリノの夜はどんな物語を紡いでいくのでしょうか?

タイトルから想像して、イタリアを舞台にしたラブラブでロマンティックな恋物語を期待して、「今夜は恋したい気分だから、このDVDでキュンとしちゃおうっと」って観始めたら、そういう映画じゃなかった。映画を観ているというより、小説を読んでいるような、不思議で初めての感覚。喜怒哀楽笑が素敵にからみ合って、セリフも語りもすべて一言ひとことがメッセージになっていて心の芯まで届きます。本のページを自分でめくっている感覚もありました。映画を観終わってすぐに、「この映画の監督って誰なんだろう?」って、監督の名前を知りたいと思ったのも初めての体験でした。
誤解されるかもしれないけれど、人生って、壮大な「なんちゃってワールド」なんじゃないかな~って私最近思うようになっていて、がんばったことも、がんばらなかったことも、うまくいったことも、うまくいかなかったことも、大きな意味で「たまたま」。人生終わってみたらどれもこれも一瞬の出来事で、「なんちゃってね」って言っている自分がいる気がして、だからこそ大まじめに今を楽しもうと生きています。この映画を観ていたら、先の見えない人生を生きていくのも、それも人生だねって、またちょっとニンマリしちゃいました。「映画」に初めて恋をした夜でした。(koidemiho)

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