治りたくなんかない。おれは恋をした。
監督:マイケル・ラドフォード 脚本:アンナ・パヴィニャーノ、
マイケル・ラドフォード、フリオ・スカルベッリ、
ジャコモ・スカルベッリ、マッシモ・トロイージ 
撮影:フランコ・ディ・ジャコモ 音楽:ルイス・エンリケ・バカロフ
CAST:マッシモ・トロイージ、フィリップ・ノワレ、
マリア・グラッツィア・クチノッタ、リンダ・モレッティ、
アンナ・ボナイウト、マリアーノ・リッギロ

亡命し、イタリアの素朴な島へ居を移した詩人パブロ・ネルーダ。
ノーベル賞候補の彼には世界中からファンレターが寄せられます。
漁業を継ぐ気はなく、なげやりに生きていたマリオ・ルオッポロは
パブロへ郵便を届けるためだけの配達人として働き始めました。

詩人を尊敬し、言葉の隠喩にめざめていくマリオ。
ベアトリーチェに恋をし、詩人に手を焼かせつつ、
人生に前向きになっていきます。

見方を変えるだけで、目を開くだけで、自分の周りには
すばらしい世界がこんなにも広がっていたんだ。
パブロが島を去った後も、マリオは力強く人生を歩んでいきます。

映画完成直後に亡くなった主役のマッシモ・トロイージに
この作品は捧げられています。

イルポスティーノ

 
先週、高校の同窓会があり、何十年ぶりかの再会に、うれしくて興奮してはしゃいで喋りまくっていたら、おまえ本当にぜんぜん変わんねぇーなーって全員に言われて、私は自分の記憶では、高校時代は無気力でおとなしかったと思っていたので、ゲッ!こんなに昔から「お喋り」だったんだ、と自分で自分に驚きました。今も占いの仕事は「言葉」を道具にしているので、書くのも話すのもたくさん言葉を使います。「会話」を大事にしています。そして、この映画で私は、私にはない世界を体験してしまいました。短い言葉と言葉の間に存在する静かな世界に、情熱も優しさも悲しみもすべてがあって、「無言という言葉」があるということ。言葉は「聞く」のではなく「感じる」ものだということも。圧倒的な美しい自然の中で、人間が作った言葉が輝く瞬間も。そして時代性や男女の関係や不思議な友情などいろいろな視点で「感じる」ことができる映画でした。どうぞたくさん「感じて」みてくださいね。(koidemiho)

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